ドイツっていう国を日本で意識するのは、少なくとも私が日本にいたときは「オクトーバーフェスト(つまりビール)」とか「欧州サッカー(大体ドルトムントかFCバイエルン)」くらいなもんで、あとは一部のドイツ製ブランドくらい。ブランドで有名なのはもちろん車、一部のオーディオ機器やバッグ、あとはベビー用品やオーガニックとかでしょうか。
海外から日本に来る人が、大体日本のイメージはTOKYOかKYOTOから得ていてそれぞれの地域の特性だったり違いだったりを知らないのと同じで、私はドイツで実際暮らすまでドイツという国に対するイメージは猛烈に浅く(恥ずかしいレベル)、でもだからこそ、住んでみて感じた「へー!!」という驚きは沢山ありました。
私がドイツに来て、住んでみて、まず一番感じていること。
それは、「とんでもなくライフワークバランスが整っている」ということ。
これは、私がドイツに来る前は全く想像すらしていない、ドイツ暮らしの最大の魅力といってもいいのではないかと思っています。
日本のワークライフバランス、という言葉は、せいぜい水曜ないし花金は早く帰ろう!くらいのもんですが笑、こっちではちょっとその次元が違う。
もちろん前提として、私は東京生まれの東京育ち(といっても生まれは西東京)かつ、仕事とプライベートは一緒にできるくらい、仕事は楽しく没頭できるものであるべき、という少しばかり偏った(?)思想を持って20代を過ごしてきたので、必然的にそういう私の今までの東京ライフ的な暮らし方とドイツでの暮らし方を比較することになり、多少バイアスがかかっていることは、お許しください。
だがしかし、そのバイアスを考慮しても、ドイツって国の国民のライフスタイルは本当に清々しいくらい、バランスが良いです。
この「絶妙なバランス」が何から形成されているかでいくと、私が思うに、安定した経済基盤と有効求人倍率(つまり一定の職があり、安心して暮らせる)と、徹底した効率的でエコな働き方(暮らし方もエコなんですが、それはまたの機会に)と、ドイツのヨーロッパにおける地理的優位からくる充実した休日の過ごし方、なのではないかと私は思っています。
一番驚いたのは、なんといっても働き方。
「ワークライフバランス」なんてスローガンはなくても、多くの人は少なくとも6時か7時には家に帰るし(BMW勤めの子からはいやいや5時でしょ!と驚かれました笑)、休日に会社のメール見たりもしないし、年間約30日の有給消化は絶対に何があっても全消化します。法律で決まってるので。しかもこれは、病欠は有給消化に入りません。
(これにはマジで驚きました)
いやだって、体調管理って社会人の基本だし、風邪ひいて休むのは自己管理の問題で・・・ってほぼ100%の日本人が思うところですが、私のダーリン(ドイツ人)は「いや、何言ってるの。医者が出社しちゃだめ、とか外に出ちゃダメ、って言ってるから仕事にいけないのに、それを有給消化するって、めちゃくちゃアンフェアだよね」と。。。
そうですか、そうですか。そんな考え方なのか。
実際ドイツでは医者からの証明がもらえれば、病欠は有給消化せず、普通にただ会社を休むということで企業側はなんの文句も言わないようです。
もちろん、しょっちゅう風邪こじらせて会社休んでいるようでは、「はい、君クビね!」って言われちゃう可能性もあるので、そこはちゃんとシビアな社会なようですが。
というわけで、私のダーリンも、いわゆるネット系ベンチャーでデータアナリストとして働いていて、もちろんベンチャーなのでかなり遅くまで働いていたときもありましたが、私がミュンヘン移住後はどんなに遅くても7時過ぎには帰宅。
7時半には一緒にご飯食べて、9時には温かいお茶でも飲みつつ本読んだり、一緒にドラマみたり、を全く当たり前の日常として、過ごしています。
夫婦生活としては、とても健康的で幸せなことだなぁとしみじみ感じていますが、それは子供ができてからも同じなんじゃないかなと思います。